優しい犯罪
「本当にあんたを産んだこと、後悔してる。あんたが居なかったら、私だってもっと友達いたし、幸せな人生送れてたのに…。どっか消えてよ」
「…じゃあ、捨てて」
「粗大ゴミだって金かかるんだから!ゴミのお前が贅沢言うんじゃないよ!」
バチンと音がして同時に、若い人にしか聞こえないような高い音が頭を駆け回った。
すぐに目を瞑ったら、目の奥で頭がかき混ざり始めて立っていられず、意識を飛ばすようにフローリングに座り込んだ。
倒れたことは分かっているけど、体に動けと念じても動かない。
そこに畳みかけて私に馬乗りになり、母親の気が済むまで殴り続けられた。