優しい犯罪





ようやく終わった頃には母親の手の甲は真っ赤に染まり、私の顔と体は痛みだらけ。



謝る体力もなく、フラフラと部屋から出ていく母親を仰向けに倒れたまま見ていた。





今日は少しヒステリックが酷かったな…。



いつもは軽く痣ができる程度で済んでいたから、ここまで動けないと物置にも戻れない。



どうやって母親に見つからずにひっそりと物置に戻れるか策を練っていたのに、キッチンから水の音が聞こえて妹の悲鳴が耳に入ったところで、それ以上の記憶はない。



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