優しい犯罪
目が完全に覚めてしまって、寝転んでも眠くなる気配もない。
おじさんが起きてくるまで、あとどれぐらいだろう。
何もすることがなく一日が終わるのは、日常だったから慣れているはずなのに待てない自分がいて、おじさんの存在は偉大だと思った。
暇つぶしに周りを見渡して、目についた暖炉に近づいたけど、火のついていない暖炉は冷ややか。
暖炉の前に腰を下ろしたら、お尻が数センチ縮んでしまいそうになるほど床が冷たくて、火のない暖炉に興味がなくなった。