貴方とは、もう御免。
そんな夜が明けて
今日は待ちに待ったいよいよ娘の晴れ舞台。

幸せになって…莉緒…誰よりも。

チャペルの入口で待つ私。
とっても綺麗な莉緒に
震える手でそっとベールをおろした。

莉緒の幼少期から今までの事全てが蘇って
涙が溢れて止まらなかった。

絶対に、絶対に幸せになれ。莉緒。

バージンロードを夫の渉と、
これから一生を添い遂げるであろう新郎の元へ
ゆっくりと歩いていく莉緒。

あぁ…私の時もそうだったな。
私は大好きな祖父とバージンロードを
渉の元へと歩いた。
幸せいっぱいに満ちていたあの時。遠い昔の話。


病める時も健やかなる時も
喜びの時も悲しみの時も
富める時も貧しい時も……

莉緒たちは……
莉緒たちだけはどうか幸せであれ…。
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