【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
「いい加減、ご実家に帰ったらいかが? どうせ、ラインヴァルト殿下の婚約者になるのはこの私なのだから」
彼女が自身の胸に手を当てて、微笑みつつそう告げる。
その姿を見ても、心はざわつかない。それもこれも、全てラインヴァルトさまのおかげだ。
「……なに、笑ってるのよ」
そう思っていると、彼女が眉間にしわを寄せてそう問いかけてくる。……笑っているつもりは、なかった。
彼女の言葉に驚いて、唇の端に指を押し当ててみる。……口角が、少しだけ上がっているような気も、する。
(けど、別に笑っているというレベルではないわ)
でも、笑っている、笑っていないの判断は個人によるものだ。だから、コルネリアさまにそう見えてもおかしくはない。
「笑っているつもりは、ありません」
けれど、否定しなくちゃ。だって、私は彼女を不快にしたいわけではないのだ。
……私はただ、彼女と向き合いたいのだ。それだけ。
「嘘言わないで! あなた、私のことを嘲笑っているんでしょ!?」
「……え」
しかし、続けられた彼女の言葉に驚く。
自然と目を瞬かせていれば、コルネリアさまは強く唇をかみしめる。
ひどい悪意を宿した目で、私を見つめる。
「次期王太子妃として期待されてきたのに、あんたみたいなぽっと出の女に立場を、殿下の寵愛を奪われそうになっている」
「あ、あの」
「きっと、あなたからすれば私は嘲笑い見下す対象なのでしょうね!」
なんだか、普段の彼女と少し違うような気がした。
彼女が自身の胸に手を当てて、微笑みつつそう告げる。
その姿を見ても、心はざわつかない。それもこれも、全てラインヴァルトさまのおかげだ。
「……なに、笑ってるのよ」
そう思っていると、彼女が眉間にしわを寄せてそう問いかけてくる。……笑っているつもりは、なかった。
彼女の言葉に驚いて、唇の端に指を押し当ててみる。……口角が、少しだけ上がっているような気も、する。
(けど、別に笑っているというレベルではないわ)
でも、笑っている、笑っていないの判断は個人によるものだ。だから、コルネリアさまにそう見えてもおかしくはない。
「笑っているつもりは、ありません」
けれど、否定しなくちゃ。だって、私は彼女を不快にしたいわけではないのだ。
……私はただ、彼女と向き合いたいのだ。それだけ。
「嘘言わないで! あなた、私のことを嘲笑っているんでしょ!?」
「……え」
しかし、続けられた彼女の言葉に驚く。
自然と目を瞬かせていれば、コルネリアさまは強く唇をかみしめる。
ひどい悪意を宿した目で、私を見つめる。
「次期王太子妃として期待されてきたのに、あんたみたいなぽっと出の女に立場を、殿下の寵愛を奪われそうになっている」
「あ、あの」
「きっと、あなたからすれば私は嘲笑い見下す対象なのでしょうね!」
なんだか、普段の彼女と少し違うような気がした。