【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
だって、普段の彼女は。感情的になることはあれど、ここまで悪意をぶつけてくることはなかった。
……今まで幾度となく喧嘩を売られたけれど、ここまで露骨な言葉は初めてだった。
「本当に嫌だわ。……私は周囲から笑い者にされているのよ?」
「そ、そんなことは」
コルネリアさまは周囲から認められている。……笑い者は、私のほうだ。
「長年側にいながら、殿下に愛を与えられない、惨めな女。……それが、私よ」
彼女が私のことを強く睨みつける。その目に宿った憎悪に、背筋がぶるりと震えた。
自然と足を後ろに引いて、彼女から逃れようとする。……でも、それより早く。彼女が、私の身体を突き飛ばした。
「ひゃっ――!」
不幸なことに、後ろは階段だった。
宙を舞う身体。どんどん遠のいていく、コルネリアさまのお姿。
彼女の目が、驚いたように揺れているのは、どうして?
(――コルネリアさま、本当はこんなこと、したくなかったのでは?)
頭の中に宿ったその感情を、確かめるすべはない。
私は、床に強く身体を背中を打ち付けた。
……今まで幾度となく喧嘩を売られたけれど、ここまで露骨な言葉は初めてだった。
「本当に嫌だわ。……私は周囲から笑い者にされているのよ?」
「そ、そんなことは」
コルネリアさまは周囲から認められている。……笑い者は、私のほうだ。
「長年側にいながら、殿下に愛を与えられない、惨めな女。……それが、私よ」
彼女が私のことを強く睨みつける。その目に宿った憎悪に、背筋がぶるりと震えた。
自然と足を後ろに引いて、彼女から逃れようとする。……でも、それより早く。彼女が、私の身体を突き飛ばした。
「ひゃっ――!」
不幸なことに、後ろは階段だった。
宙を舞う身体。どんどん遠のいていく、コルネリアさまのお姿。
彼女の目が、驚いたように揺れているのは、どうして?
(――コルネリアさま、本当はこんなこと、したくなかったのでは?)
頭の中に宿ったその感情を、確かめるすべはない。
私は、床に強く身体を背中を打ち付けた。