【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
「何処か痛むか?」
ラインヴァルトさまにそう問いかけられて、私は困ったような表情を浮かべることしか出来ない。
足首は痛む。けれど、この状態のラインヴァルトさまは周囲が見えていない。……コルネリアさまを責めるのは、間違いない。
「その、大した、ことは」
私の言葉を聞かれたラインヴァルトさまが、顔を上げる。その視線を追えば、そこには床にへたり込むコルネリアさまがいらっしゃった。
「あいつ……!」
その声には、色々な感情がこもっている。ただの怒りだけじゃない。憎しみとか、嫌悪感とか。そういうものの一種にも、聞こえる。
「そ、その、ラインヴァルトさま……!」
立ち上がって、コルネリアさまに近づこうとされるラインヴァルトさまを止めようとする。
だけど、どう止めればいいかわからなくて。私は咄嗟に、彼の手を掴んだ。
「……テレジア?」
「その、コルネリアさまは、悪くないのです……!」
そうだ。私が彼女を不快にしてしまったから、こんなことになってしまった。
……もっとうまく、振る舞えばよかった。
「だが、テレジア」
「本当に、悪いのは私なのです……!」
必死にそう訴える。そうしていれば、メイドに連れられてコルネリアさまが私たちのほうにいらっしゃる。
彼女は目の奥を揺らしながら、唇をぎゅっとかみしめていた。
ラインヴァルトさまにそう問いかけられて、私は困ったような表情を浮かべることしか出来ない。
足首は痛む。けれど、この状態のラインヴァルトさまは周囲が見えていない。……コルネリアさまを責めるのは、間違いない。
「その、大した、ことは」
私の言葉を聞かれたラインヴァルトさまが、顔を上げる。その視線を追えば、そこには床にへたり込むコルネリアさまがいらっしゃった。
「あいつ……!」
その声には、色々な感情がこもっている。ただの怒りだけじゃない。憎しみとか、嫌悪感とか。そういうものの一種にも、聞こえる。
「そ、その、ラインヴァルトさま……!」
立ち上がって、コルネリアさまに近づこうとされるラインヴァルトさまを止めようとする。
だけど、どう止めればいいかわからなくて。私は咄嗟に、彼の手を掴んだ。
「……テレジア?」
「その、コルネリアさまは、悪くないのです……!」
そうだ。私が彼女を不快にしてしまったから、こんなことになってしまった。
……もっとうまく、振る舞えばよかった。
「だが、テレジア」
「本当に、悪いのは私なのです……!」
必死にそう訴える。そうしていれば、メイドに連れられてコルネリアさまが私たちのほうにいらっしゃる。
彼女は目の奥を揺らしながら、唇をぎゅっとかみしめていた。