【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
「ラインヴァルト殿下に愛されていながらも、元婚約者の方と繋がっていたなんて……!」
「ち、がっ!」
違う。そんなわけがない。だって、私はゲオルグさまに無理やりここに連れ込まれて……!
「違うわ! 私、そんなの……」
「言い訳は結構です! このことは、王妃さまに報告させていただきますわ!」
カンカンに怒った侍女は、私の意見も聞かずにすたすたと歩きだす。
その足取りはしっかりとしている。合わせ、彼女の態度を見るに間違いなく王妃殿下に報告するのだろう。
(これは、誤解なのにっ……!)
私はゲオルグさまと密会していたわけじゃない。繋がっていたわけでもない。
そう思うのに、周囲から向けられる視線が怖くて、口から言葉が出てこない。喉から小さな息が漏れるだけだ。
「あーあ、企みが全部台無しだな、テレジア」
そんな私を嘲笑うかのように、ゲオルグさまが私の耳元で、私にだけ聞こえる声量でそう囁いた。
……彼は、確信犯だ。それを、察する。
(ゲオルグさまは、私のことを嵌めたのね……)
もうどうすればいいかわからなくて。頭の中が真っ白で。私は、その場に崩れ落ちた。
「ラインヴァルトさま……!」
せめて、彼にだけは信じてほしい。そう思って、ぎゅっと手のひらを握って、零れそうになる涙をこらえた。
「ち、がっ!」
違う。そんなわけがない。だって、私はゲオルグさまに無理やりここに連れ込まれて……!
「違うわ! 私、そんなの……」
「言い訳は結構です! このことは、王妃さまに報告させていただきますわ!」
カンカンに怒った侍女は、私の意見も聞かずにすたすたと歩きだす。
その足取りはしっかりとしている。合わせ、彼女の態度を見るに間違いなく王妃殿下に報告するのだろう。
(これは、誤解なのにっ……!)
私はゲオルグさまと密会していたわけじゃない。繋がっていたわけでもない。
そう思うのに、周囲から向けられる視線が怖くて、口から言葉が出てこない。喉から小さな息が漏れるだけだ。
「あーあ、企みが全部台無しだな、テレジア」
そんな私を嘲笑うかのように、ゲオルグさまが私の耳元で、私にだけ聞こえる声量でそう囁いた。
……彼は、確信犯だ。それを、察する。
(ゲオルグさまは、私のことを嵌めたのね……)
もうどうすればいいかわからなくて。頭の中が真っ白で。私は、その場に崩れ落ちた。
「ラインヴァルトさま……!」
せめて、彼にだけは信じてほしい。そう思って、ぎゅっと手のひらを握って、零れそうになる涙をこらえた。