【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
「こちらは、ラインヴァルト殿下からのお手紙でございます」
「……え」
「殿下は真実を知ろうとされております。……どうか、お返事を」
ミーナはそう言うけれど、返事なんてどうやって出せばいいかわからない。
今すぐに書いて、ミーナに手渡すのには時間が足りないだろうし……。
「このお手紙の中に、便箋が入っております。それでお返事をお書きください」
「え、えぇっと……」
「最後に名前を書けば、その便箋は殿下のもとに届きます」
……意味が、わからない。
かといって、ミーナが嘘をつくとも思えない。
なので、首を縦に振った。
「わかったわ」
もう一度力強く首を縦に振って、そう告げる。
その言葉を聞いたミーナが、頬を緩めてくれた。
「よかったです。……では、私はこれで。見つかると、面倒なことになりますので」
「……ミーナも、気を付けてね」
私の言葉を聞いて、彼女はにっこりと笑ってくれた。
そのまま、彼女は足音を殺して、その場を立ち去る。……私も、音を殺してカーテンを閉めた。
(……お手紙)
お手紙と言うには、小さく折りたたまれている。けど、あの格子を通り抜けるには、これくらいしないといけなかったのだろう。
……それは、容易に想像がついた。
「……え」
「殿下は真実を知ろうとされております。……どうか、お返事を」
ミーナはそう言うけれど、返事なんてどうやって出せばいいかわからない。
今すぐに書いて、ミーナに手渡すのには時間が足りないだろうし……。
「このお手紙の中に、便箋が入っております。それでお返事をお書きください」
「え、えぇっと……」
「最後に名前を書けば、その便箋は殿下のもとに届きます」
……意味が、わからない。
かといって、ミーナが嘘をつくとも思えない。
なので、首を縦に振った。
「わかったわ」
もう一度力強く首を縦に振って、そう告げる。
その言葉を聞いたミーナが、頬を緩めてくれた。
「よかったです。……では、私はこれで。見つかると、面倒なことになりますので」
「……ミーナも、気を付けてね」
私の言葉を聞いて、彼女はにっこりと笑ってくれた。
そのまま、彼女は足音を殺して、その場を立ち去る。……私も、音を殺してカーテンを閉めた。
(……お手紙)
お手紙と言うには、小さく折りたたまれている。けど、あの格子を通り抜けるには、これくらいしないといけなかったのだろう。
……それは、容易に想像がついた。