【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
「よし、諦めるのは、ダメだわ」

 それから、自分の頬を軽く叩いて、自分を鼓舞する。

「ミーナも、ラインヴァルトさまも。私のことを信じている。ならば、私が頑張らなくてどうするの」

 少し弱気にはなっていた。が、このまま諦めるのは本意じゃない。

 私にできることは、全部やる。抗ってみせる。

「ゲオルグさまであろうと、王妃殿下であろうと。……私は、負けないわ」

 自分にできることは、限られている。

 ただ、とりあえず。今までの出来事を紙に書いて、おかしなところがないかチェックしよう。

 その一心で、私は紙を取り出して、ここに来てからの出来事を綴っていく。

 コルネリアさまのお言葉と、彼女とのいざこざ。ゲオルグさまとのことを目撃された際のこと。

 おかしなところを少しでも見つけなくちゃ。……それら一つ一つが大したダメージにならなくても。

 きっと、集まれば確かな攻撃になるはずだから。
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