【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
別に悪いことをしたとは思っていない。ただ、あの場にいることが辛くて。
私はどんどんスピードを上げて、王城の中を早足で歩いていた。
行き場所なんてなかった。ただ、私の足は自然と中庭のほうへと向かっていて。
気が付いたら、中庭にあるベンチに腰かけていた。
「……私は、これからどうすればいいんだろう」
あの場を穏便に済ませることも、やろうと思えばやれたのだろう。ただ、どうしても。
私は王妃殿下が許せなかった。ラインヴァルトさまの幸せなんて願っていない、彼女のことが。
そして、私はこれ以上ここに居たいとは思えなかった。
ラインヴァルトさまのご迷惑になるくらいならば、出て行ったほうがいい。そう思う気持ちがある。
修道院に行く。もしくは、田舎でのんびりと暮らすのもいいかもしれない。
「そうだわ。……やっぱり、そうするべきだもの」
小さくそう呟いて、ベンチから立ち上がったとき。
不意に私の目の前に誰かが立つ。恐る恐る顔を上げてみれば、そこには厳しい表情をされたラインヴァルトさまがいらっしゃった。
「……テレジア」
彼が少し気まずそうに、私の名前を呼ばれた。
私はどんどんスピードを上げて、王城の中を早足で歩いていた。
行き場所なんてなかった。ただ、私の足は自然と中庭のほうへと向かっていて。
気が付いたら、中庭にあるベンチに腰かけていた。
「……私は、これからどうすればいいんだろう」
あの場を穏便に済ませることも、やろうと思えばやれたのだろう。ただ、どうしても。
私は王妃殿下が許せなかった。ラインヴァルトさまの幸せなんて願っていない、彼女のことが。
そして、私はこれ以上ここに居たいとは思えなかった。
ラインヴァルトさまのご迷惑になるくらいならば、出て行ったほうがいい。そう思う気持ちがある。
修道院に行く。もしくは、田舎でのんびりと暮らすのもいいかもしれない。
「そうだわ。……やっぱり、そうするべきだもの」
小さくそう呟いて、ベンチから立ち上がったとき。
不意に私の目の前に誰かが立つ。恐る恐る顔を上げてみれば、そこには厳しい表情をされたラインヴァルトさまがいらっしゃった。
「……テレジア」
彼が少し気まずそうに、私の名前を呼ばれた。