【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
第6話
 あれから三週間。私はまだ王城に滞在している。けれど、大きく変わったこともある。

 まず、私は正式にラインヴァルトさまと婚約した。そもそも、私がラインヴァルトさまと婚約することに反対していた一番の人物が、元王妃殿下で。彼女が失墜したことにより、私とラインヴァルトさまの婚約を反対していた勢力が勢いを失った……というのが、大きい。

 元王妃殿下は、行っていた悪事が露見したことにより、王室を追い出されることになった。とはいっても、大々的に処罰することはできなかったので、王家が所有する辺境の別邸にしばし軟禁することに。また、しばらくしたら正式な処罰を決めると言うことだ。

 表向きには、体調を崩して療養ということにはなっているけれど、貴族の人たちはみな薄々真実を察しているのだと思う。

 それから、ゲオルグさまについて。彼は元々危うい立場ではあったものの、今回のことで完全に公爵家から見限られた。公爵家がゲオルグさまを除籍する、援助は一切しないということで、処罰を逃れたためだ。

 現在、私の評判は可もなく不可もなくだと思う。確かに私には瑕疵もあるし、生まれだって問題があるかもしれない。それでも、ラインヴァルトさまに相応しくなろうと頑張っているうちに、徐々に味方が増えていた。

 コルネリアさまとだって、今では穏やかにお茶が飲めるくらいだから。

「……なんだろう。なんか、変な気分」

 中庭でお茶を飲んで、小さくそう呟く。
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