【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
彼がこちらに身を乗り出して、そう問いかけてこられる。……ずっと……とは、どういう。
「ずっと目で追ってたよ。何処か元気をなくしていくのを見て、早く助けたいって思った。……けど、俺は王太子だ。変な行動をすることは出来ないし、父上に逆らうことは得策じゃない」
「……はい」
「ほかの王子に立場を押し付けてもよかったが、それはそれで母上が面倒だった。だから、俺はどっちも手に入れて守る方法を考えていた」
なんだろうか。彼がここまで私のことを思っていてくださったことが、嬉しい。心の底から、嬉しい。
(ずっと、一人だって思ってた)
だけど、それは私の思い違いだったのだろう。私にはずっと、見守ってくださった人がいたのだ。
「ま、俺がテレジアの立場だったら気持ち悪いって思うかもだけど」
彼が苦笑を浮かべて、そうおっしゃる。遠のいていく彼の手を咄嗟に掴んだ。
「……気持ち悪いなんて、思いません」
確かにちょっと引いたのは認める。ただ、彼の気持ちが嬉しいのは確かだ。
「テレジア……」
「私も、ラインヴァルトさまが好き、ですから」
彼の手に自ら指を絡めて、そう告げる。彼が口元を緩めた。何処か艶めかしい雰囲気だ。
「ずっと目で追ってたよ。何処か元気をなくしていくのを見て、早く助けたいって思った。……けど、俺は王太子だ。変な行動をすることは出来ないし、父上に逆らうことは得策じゃない」
「……はい」
「ほかの王子に立場を押し付けてもよかったが、それはそれで母上が面倒だった。だから、俺はどっちも手に入れて守る方法を考えていた」
なんだろうか。彼がここまで私のことを思っていてくださったことが、嬉しい。心の底から、嬉しい。
(ずっと、一人だって思ってた)
だけど、それは私の思い違いだったのだろう。私にはずっと、見守ってくださった人がいたのだ。
「ま、俺がテレジアの立場だったら気持ち悪いって思うかもだけど」
彼が苦笑を浮かべて、そうおっしゃる。遠のいていく彼の手を咄嗟に掴んだ。
「……気持ち悪いなんて、思いません」
確かにちょっと引いたのは認める。ただ、彼の気持ちが嬉しいのは確かだ。
「テレジア……」
「私も、ラインヴァルトさまが好き、ですから」
彼の手に自ら指を絡めて、そう告げる。彼が口元を緩めた。何処か艶めかしい雰囲気だ。