【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
(ど、うすればいいの……?)

 徐々ににぎやかさを取り戻しつつあるパーティーホールで、私はじっと俯いていた。

 しばらくして、肩になにかがぶつかった。驚いて顔を上げれば、そこには煌びやかなドレスを身にまとったご令嬢がいる。

「ゲオルグさまに出て行けと言われたのに、まだここに居座るの?」
「……それは」
「目障りなんだから、さっさと出て行きなさいよ!」

 そのご令嬢がそう叫んで、私の肩を強く押す。高いヒールの所為で踏ん張りがきかなくて、しりもちをつく私。

 ……彼女たちは、私を見下ろして笑っていた。

「全く、本当に可愛げのない女だわ。……ゲオルグさまに振られるのも、当然だわ」
「本当にそうですわ。……あぁ、辛気臭いのが移ってしまいそう」
「そうよ。じゃあ、行きましょう」

 けらけらと笑いながら、彼女たちが私の側を通り抜ける。……悔しさは、感じている。けど、彼女たちのおっしゃっていることは真実。……言い返す術なんてない。それに、言い返す元気も気力も、今の私には残っていなかった。

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