イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


「そうだ。昨日の数学の宿題、難しくなかった?」

「難しかったよね。わたし、問3が分からなくて……」

「ああ、確かに」


 良かった。わたし、三原くんといつも通りに話せてる。


 昨日『好き』だと言われたといっても、直接告白されたとか、わたしが彼を振ったってわけではないし。

 わたしが、変に意識しすぎていただけなのかも。


「三原くーん」

「楓吾くんっ」


 三原くんは、まだわたしと話していたけれど。その途中で、クラスの女の子たちに囲まれてしまった。


 三原くんは『ごめんね』と言うように、胸の前で申し訳なさそうに両手を合わせてくる。


 三原くんも、やっぱりモテるなぁ。


 そんな人が、わたしのことを好きだなんて。


 わたしの髪型の変化にも、いち早く気づいてくれたし。


 それだけわたしのことを、よく見てくれてるってことなのかな?


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