イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


「あれ。今日、まだ一堂先輩来てないね」


 あと数分で、朝礼が始まろうとする頃。


 真織に言われてわたしが窓際の一堂くんの席に目をやると、そこは空席のまま。


 一堂くん、今日は休みなのかな?


 昨日は変わらず元気だったし、もしかしてサボリとか? 一堂くんなら有り得る。


 キーンコーンカーンコーン……


 朝礼開始を告げるチャイムが鳴っても、一堂くんは登校して来ず。


「おーい、お前ら。朝礼始めるぞー」


 担任の先生が来たので、教室のあちこちに散らばっていたクラスメイトたちは慌てて自分の席へと戻り、騒がしかった教室が静かになる。


「えー、一堂なんだが……今日は風邪で欠席だ」


 えっ、一堂くん休みなの!?


 風邪って、大丈夫なのかな?


< 121 / 295 >

この作品をシェア

pagetop