イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
︎︎︎︎◇一堂くんとデート?
わたしが一堂くんのお見舞いに行った2日後、彼は元気に登校してきた。
「おはよう、依茉」
「おはよ、一堂くん。体調はもういいの?」
「すっかり良くなったよ。依茉が看病してくれたお陰だね。ありがとう」
パチッとウインクする一堂くん。確かに、この前と違って顔色も良さそうだ。
「べ、別にわたしは何も……」
「プリンを食べさせてくれて、抱き枕にもなってくれたしね?」
「あっ、あれは仕方なく……」
あの時のことを思い出すと、頬が一気に熱くなる。
「ははっ。依茉、顔赤くなっちゃって可愛い」
一堂くんが親指の腹で、わたしの頬を撫でてくる。
「あのさ、依茉。看病してくれたお礼をさせて欲しいんだけど」
一堂くんが、わたしのほうへと顔を寄せてくる。
ま、まさか。一堂くんのことだから、『お礼のキス』とか言って、またキスしてくるんじゃ……。
わたしは、唇を咄嗟に手で覆う。