イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


 一堂くんに連れられてやって来たのは、住宅街の中にひっそりと佇むカフェだった。


 古民家をリノベーションした和モダンな店内は、とても和やかな雰囲気。


「あら、慧くん。いらっしゃーい」


 お庭の見える窓際の席に一堂くんと向かい合って座ると、髪をひとつに束ねた40代くらいの女性の店員さんがニコニコと話しかけてきた。


「慧くんがここに女の子と来るのって、初めてじゃない? もしかして彼女!?」


「はい。そうなんです」


 店員さんに聞かれて、すぐさま肯定する一堂くんに、なんだか嬉しくなる。


「若いっていいわねぇ。ごゆっくりー♡」


「あの……お知り合い?」


 店員さんが去ったあと、わたしは一堂くんに尋ねる。


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