イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


「ああ。あの人は店長。俺、ここでバイトしてるから」

「えっ、一堂くんってアルバイトしてるの?」


 わたしは、目が点になる。


「え? 何、依茉。その意外そうな顔」

「だってお金持ちの家の子って、バイトとかしないのかと……」


 ましてや彼は、国内では名前を知らない人はいないんじゃないかってくらい有名な、あの一堂グループの御曹司。


 親のお金で、何不自由なく暮らしているのだとばかり……。


「まあ、バイトは親に世話になりっぱなしなのも嫌で、少しでも自立するためにやってる。一人暮らしもそうだよ」

「そうなんだ」


 自立、か。てっきり、遊んでばかりのおぼっちゃまなのかと思っていたけど……。


 一堂くん、偉いなぁ。今の話を聞いて、彼への印象が少し変わったかもしれない。


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