イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


「一堂くん、凄いね」

「依茉だって、家族のために料理とか家のこと頑張ってるだろ? えらいじゃない」

「そうかな? わたしなんて、まだまだだよ」


 そっか。一堂くん、ここでバイトしてるのか。


 改めて、わたしはカフェの店内を見回す。


 一堂くんがバイトしてる姿、見てみたいかも。


「それで、話変わるけど。ここのオムライスがめちゃめちゃ美味くてさ。依茉にも食べて欲しいなと思って、今日連れて来たんだよね」

「え、オムライス!?」

「依茉は、オムライス好き?」

「うん、大好き!」

「それなら、良かった」


 実はわたし、オムライスには目がないんだよね。だから、つい家でも頻繁に作ってしまって、お母さんとお兄ちゃんに苦笑いされちゃうこともあるくらい。


「わたし、一堂くんオススメのオムライス食べたい」

「それじゃあ依茉はオムライスで、俺は……パスタにしようかな。注文するね。すいませーん」


 一堂くんが店員さんを呼び、二人分の注文をしてくれた。


 そしてしばらく話していると、注文したものが運ばれてくる。


「うわぁ、美味しそう」


 一堂くんおすすめのオムライスは、ケチャップがかかったシンプルなオムライス。


「そういえば一堂くん、トマトは苦手なのにケチャップは平気なの?」

「うん。ケチャップは不思議と大丈夫なんだよね。さぁ、温かいうちに食べよう」


 二人で一緒に「いただきます」をして、食べ始める。


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