イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
──カシャッ!
カメラのシャッター音がするのと同時に、一堂くんの唇がわたしのほっぺに軽く触れた。
「なっ!」
「誰も見てないんだし、キスしても良いでしょ?」
「そっ、それはそうだけど……」
こんな不意打ちのキス、心臓に悪い……!
「ほら、早くしないと次の撮影が始まるよ。依茉、笑って!」
それからわたしは、一堂くんと手を合わせてハートを作ったり。彼がわたしを後ろからハグしたりと、一堂くんに言われるままに色んなポーズをとった。
* * *
「うん。ちゃんと盛れてるし、良い写真が撮れたね」
撮った写真の落書きと印刷を終え、出来上がったプリクラを見て一堂くんが満足そうに笑う。
そりゃあそうだよ。全部、一堂くんの言うとおりにポーズを決めて撮ったんだから。
「俺、このプリクラの画像、スマホのロック画面にするよ」
そう言うと、さっそく一堂くんがプリクラ画像を設定する。
「これでスマホを開く度に、いつも依茉の可愛い顔が見られるね」
「やめてよ、一堂くん。恥ずかしいから」
「ほんと、照れ屋だなぁ。依茉は」
すると、一堂くんがわたしのスマホを奪うように取ってしまう。