イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
怜央が走りながら公園へとやって来た。
「悪いな、怜央。急に呼び出して」
俺は『大事な話がある』と言って、怜央をこの公園に呼んだ。
依茉は怜央の妹だから、ちゃんと怜央に話しておいたほうがいいと思ったんだ。
依茉に好意があることを黙っていて、俺たちの友情にヒビが入るのは嫌だし。
中学2年の頃。俺が学校の廊下の窓から、花壇の水やりをする依茉のことを見ていて『依茉のことが好きで、ここからあいつを見てるとかじゃないよな?』と怜央に聞かれたときは、思わず否定してしまったけれど。
あのときみたいに、もう嘘はつきたくないから。
自分の気持ちに正直でいたいし、俺が本気だってことを親友の怜央にも分かって欲しい。
「それで? 大事な話ってなに?」
怜央が、俺の隣に腰をおろす。
「えっと……」
やばい。依茉に告白するわけじゃないのに、めちゃめちゃ緊張する。
口から、心臓が飛び出してきそうだ。
一度深呼吸すると、俺は意を決して話し始める。
「実は俺……依茉のことが好きなんだ」