イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


 反射的に振り返ると、モデルの先輩は狐につままれたような顔をしていた。


「どっ、どうして? 一堂くん、OKしてくれるんじゃないの!?」


 モデルの先輩が焦った様子で、一堂くんに詰め寄る。


「今までの俺だったら……いいよって、すぐにOKしてたんだろうけど。もう無理なんだ」

「なんで?! 私だからダメなの!?」

「違う。俺、本気で好きな子ができたから。これからは、その子だけを見ていたいんだ」


 本気で好きな子ができたって……一堂くん、本当に?


 バクバクと、鼓動がどんどん速まっていく。


「だから……最近は、キミだけでなく女子からの告白は全て断ってる。いま付き合ってる彼女とも、全員別れるつもり。好きな子以外とは、もう誰とも付き合わないって決めたから」


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