イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
◇一堂くんのヤキモチ
一堂くんと両想いになった翌日。
「ほら、見て。あの人だよ。栗色のロングヘアの……」
「えっ、うそ。あんな普通の子が、一堂先輩が本気で好きになったっていう彼女!?」
朝。登校したわたしが昇降口から教室までの廊下を歩いていると、やたらと女の子たちに見られる。
もしかして、昨日中庭で一堂くんに告白されたところを、誰かに見られていたから……さっそく噂になったのかな?
──ドンッ!
「あっ、ごめんなさ……」
「ちょっと。ちゃんと前を見て歩きなさいよ」
廊下を歩いていると、反対側から歩いてきた派手な見た目の2年生女子と肩がぶつかり、思いきり睨まれてしまった。
「あんた、一堂くんの本命彼女になれたからって、調子に乗ってるんじゃないわよ」
こ、怖い……。わたしは、ただ普通に歩いていただけなのに。
なんだか昨日までとは違って、急に他の女子からの風当たりが強くなった気がする。