イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


 ──ガラガラ。


「おはよう……」

「あっ、依茉ちゃん。おはよ〜っ!」

「おはよう、依茉!」


 わたしが1年5組の教室に入ると、杏奈と真織がこちらへと駆け寄ってきた。


「ねぇ。依茉、聞いたよ。昨日、一堂先輩に告白されたんだって!?」

「えっと……うん」


 真織に尋ねられ、嘘をつくのもな……と思ったわたしは、正直に答える。


「キャーッ! やっぱり依茉ちゃんは、一堂先輩にとって特別だったんだ。私たちの予想は当たってたね、まおりん!」

「ねーっ! おめでとう、依茉」

「依茉ちゃん、おめでとう〜!」

「真織、杏奈……っ、ありがとう」


 いつもと変わらない様子の二人に、わたしは胸がじんわりと熱くなる。


「依茉!」


 わたしが友達二人の祝福に感動していると、後ろから声をかけられた。


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