イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
「い、一堂くん」
やばい。一堂くん、今日も朝からかっこいい……!
ていうか、今日はいつも以上にかっこよく見えるよ。
「依茉、今日も朝から可愛いね」
ま、まさか。お互い同じようなことを思うなんて……照れるんですが。
「あれ、依茉。なんか顔赤くなってない?」
一堂くんが、整った顔をこちらにグッと近づけてくる。
いきなりの一堂くんのドアップに、わたしは咄嗟に後ずさってしまう。
「ちょっと。せっかく依茉の可愛い顔を、もっと近くで見ようと思ったのに。逃げないでよ」
「だっ、だって……」
一堂くんの手が伸びてきて、わたしの頬へとそっと添えられる。
そして彼は、わたしの鼻先に軽くキスを落とした。
「おはよう、依茉。挨拶まだだったから」
「そうだったね。おはよう」
朝、好きな人に会って、笑顔で「おはよう」と言い合える幸せを噛み締める。