イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
「そうだ、依茉。もうすぐ中間テストだけど、勉強してる?」
「いや、それが……まだなんだよね」
一堂くんに苦笑いしながら教室のカレンダーで日にちを確認すると、中間テストまであと1週間を切っている。
「あのさ。良かったら次の週末、俺の家で一緒に勉強しない? その……付き合ってから初めてのデートも兼ねて」
「えっ、デート!?」
テスト目前だというのに、一堂くんのデートという言葉にわたしはつい舞い上がってしまう。
「テスト前は、俺もバイト休みもらってるから……どうかな? 良かったら、依茉の苦手な英語も教えるよ」
「それは、ぜひとも教えて欲しい……!」
この間の英語の小テストが満点だった一堂くんに教えてもらえるとなると、心強い。
「えっ、なになに? 西森さん、慧先輩の家でテスト勉強するの!?」
わたしたちの会話が聞こえていたのだろうか。
一堂くんの中等部の頃のバスケ部の後輩で、クラスメイトの有働くんが声をかけてきた。
「あの、その勉強会……良かったら、俺も一緒に参加してもいいかな?」