イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


「別に、三原は来なくて良かったのに……」


 不機嫌そうな顔で、三原くんを見る一堂くん。


 あの日、有働くんと3人での勉強会が決まったあと、わたしのそばで話を聞いていた杏奈と真織も行きたいと言い出して。

 成り行きで、三原くんも参加することになったんだよね。


 長めのテーブルを挟んで、3人ずつ向かい合って座ることに。


 杏奈、真織、三原くんの順に横並びに座り、その向かいに有働くん、一堂くん、わたしの順に並んで座る。


 わたしの横が一堂くんで、わたしの向かいが三原くん。なんだか、二人に挟まれてるような気分。


「慧先輩! さっそく英語、教えてもらってもいいですか?」

「ああ」


 一堂くんの左隣に座る有働くんが、彼に英語を教えてもらうらしいので、わたしは先に他の教科を勉強することにした。


 まずは数学からしようと問題集を広げたものの、わたしはさっそく1問目からつまずいてしまう。


 うう……因数分解って苦手なんだよね。


 えっと、これはどう解くんだっけ。


 しばらくわたしが問題とにらめっこしていると、ふと誰かの視線を感じた。


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