イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


 わたしが顔を上げると、向かいの三原くんがじっとこちらを見ていた。


「……?」


 わたしが首を傾げながら三原くんのほうを見つめると、爽やかに微笑んでくれたので、わたしもニコッと笑みを返す。


「ねぇ、西森さん。さっきからずっとシャーペンを持つ手が止まったままだけど、大丈夫?」


 わたしが同じ問題のところでずっと止まっていたから、気にかけてくれたんだ。


「もしその問題が分からないのなら、僕で良ければ教えようか?」


 そういえば三原くんって、高校から花城学園に来たけど。高校受験のときに、成績首位で合格したって噂を耳にしたなぁ。


「えっ、教えてもらっていいの?」

「もちろん」

「それじゃあ……お願いします」


 
< 193 / 295 >

この作品をシェア

pagetop