イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
「慧さん。テスト前だけど、ちゃんと勉強はしているの?」
リビングのソファに、母が腰をおろす。
「ああ、してるよ。さっきまでここで、学校のクラスメイト何人かと一緒に勉強していたところ」
「あら、そうなの!? あなたが学校の子と家で勉強だなんて、珍しい……」
母が、目を大きく見開く。
ていうか相変わらずこの人は、服にしろバッグにしろハイブランドのものばかり身につけてるな。
「……コーヒーでいい?」
「ええ。ブラックでお願い」
それから俺は母の希望通りにブラックコーヒーを淹れ、テーブルにカップを置きながら尋ねる。
「……で? 母さんが家に来るなんて、何の用?」
社長夫人として忙しい母親が、わざわざこの家に来るなんて。
ついでとか、ただの寄り道なんてことはないだろう。
「……慧さんに、お話があるの」
「話?」