イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
◇一堂家のパーティー
「なぁ、依茉。今週の日曜日って空いてる?」
2日間の中間テストが終わった翌日。
昼休みにいつものように、中庭で慧くんと並んでベンチに座り昼食を摂っていると、慧くんに突然予定を聞かれた。
「日曜日は、空いてるけど……どうしたの?」
「ああ……」
どうしたんだろう。慧くんの表情が、いつもよりも少し暗い気がする。
「いや、実は……日曜日に俺の実家でパーティーがあるんだけど、良かったら来てくれない? 両親が依茉に会いたいみたいで」
「ええっ!? 慧くんのご両親が、わたしと……うっ、ゴホッゴホッ」
びっくりしすぎて、食べていた卵焼きが喉に詰まりそうになった。
「依茉、大丈夫!?」
慧くんが、わたしの背中をポンポンと軽く叩いてくれる。
「うっ、うん。大丈夫だよ」
わたしは少し涙目になりながら、慧くんのほうを見つめる。
「大丈夫なら、良かった」
慧くんがわたしを見て、安心したように微笑む。
でも、慧くんのご両親に会うってことは……。
お父さんは、あの一堂グループの社長さん……なんだよね。
慧くんが中学の頃に付き合っていた彼女との交際を反対して別れさせたっていう、あの厳しいご両親……。
そう思うと、途端に緊張してきた。