イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
「わたしこそ、上手く答えられなくてごめんね。時々、噛んじゃったし」
「依茉は、ありのまま正直にちゃんと答えてたじゃない」
慧くんが、わたしの頭をそっと撫でてくれる。
「でも……」
「依茉は、何も気にする必要なんてないから」
いつもと変わらない慧くんの笑顔に、わたしは泣きそうになる。
「さあ、お腹空いただろ? せっかくパーティーに来たんだから、食べよう」
赤いテーブルクロスのかかったテーブルには、ローストビーフをはじめ、豪華な料理が並ぶ。
どれも美味しそうだけど、なんだか食欲がわかないかも。
「はい、どうぞ」
慧くんが、小皿に料理をいくつか盛りつけてわたしに渡してくれる。
「ありがとう」
慧くんの優しさが嬉しくて、料理を口に運ぶけれど。あまり喉を通らなかった。