イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
Love.5
◇慧くんと保健室
一堂家のパーティーから数日後の昼休み。
6月になって梅雨入りしてからというもの、雨でぐずついたお天気が続いている。
そのため、わたしと慧くんは中庭ではなく空き教室で昼食を食べるようになった。
机を挟んで、向かい合って座るわたしたち。
「つーか、中庭よりもここのほうが誰にも邪魔されずに、依茉を独り占めできるからいいかもな」
先に昼食を食べ終えた慧くんが、真正面からじっとわたしの食べる姿を見てくる。
「もう! そんなにまじまじと顔を見られたら、恥ずかしくてご飯食べれないよ」
わたしは俯きがちに、お弁当のご飯を口へと運ぶ。
「可愛い依茉のこと、片時も目を離したくないんだよ」
慧くんに、ほっぺをつんっとつつかれる。
「ここなら、人目も気にせずにこんなこともできるし」