イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


 わたしが言い返すと、金髪先輩がわなわなと震える。


「は? 慧くんと別れないとか、ふざけないでよ……!」


 金髪先輩は、更にこちらに詰め寄ってくる。


 怖くて、今すぐここから逃げ出したくて。


「……いっ、」


 起き上がろうと床に手をつくも、先ほど捻った足が思いのほか痛くて、わたしは起き上がることができない。


「あんたなんていなければ、あたしは今頃慧くんと付き合えていたのに……っ!」


 先輩はわたしに覆いかぶさるようにしながら、手を振り上げた。


 えっ、うそ。殴られる!?


「やっ、やめてください……っ」


 わたしは首を必死に横に振るも、先輩には通じない。


「ほんとあんた、ムカつくんだよっ!」


 もう嫌だ。誰か、誰か助けて……!


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