イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
「この先、たとえどれだけあの人たちに反対されても。どんなことがあっても……俺は、依茉のことだけは離さない」
まるで何かを決意するかのように、慧くんの繋いでいる手にぐっと力がこもる。
『あの人たち』って、もしかしてご両親のこと?
慧くんは何も言わないけど……やっぱりわたしたちの交際は、反対されているのかな?
そう思うと、胸がチクッと痛む。
「大丈夫だよ。わたしも離れないから」
わたしは、肩にのせられた慧くんの頭に自分の頭をくっつけ、目を閉じる。
何も喋らなくても、慧くんとただこうしているだけですごく落ち着く。
それから予鈴が鳴るまで、わたしたちは保健室のベッドに座ったまま、しばらくこうしてくっついていた。