イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
「依茉。あれから、あの子たちに何もされてない?」
「うん」
「足首のほうは? 大丈夫?」
「痛みもなくなったし、もう大丈夫だよ」
わたしは、慧くんにニコッと微笑んでみせる。
「そっか。良かった……」
硬かった慧くんの表情が、柔らかくなった。
「心配かけちゃってごめんね?」
「心配するのは当然だよ。俺は、依茉の彼氏なんだから」
慧くんが、ふわりと微笑む。
「ありがとう。今日はね、慧くんの分のお弁当も作ってきたんだ」
「えっ、まじ!? 昼休みが楽しみだな」
心から喜んでくれているのだと分かる慧くんの笑顔に、わたしの胸も温かくなった。