イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


「……っ、」


 初めて慧くんの口から出た『結婚』というワードに、胸が震える。


 もしかして慧くんは、わたしと将来そうなったら良いなって思ってくれているのかな。


 わたしとのそんな未来を……思い描いてくれているの?


『ん? どうした依茉?』


 言葉に詰まるわたしに、慧くんの声色が変わる。


『ていうか、さっきから気になっていたんだけど……依茉、なんか元気ないよな?』

「……っ!」

『何かあった?』


 少しの迷いもない様子で、慧くんが尋ねる。


< 255 / 295 >

この作品をシェア

pagetop