イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
学校に到着して、教室の自分の席にスクールバッグを置くと、わたしは慧くんの元へと向かう。
「ねぇ、慧くん。お願いがあるんだけど」
「なに?」
「あのね、わたしに英語を教えて欲しいの」
慧くんのお母さんたちに認めてもらうためには、どうすれば良いのかと昨日ひとりで考えた末に行きついたのは、勉強を頑張ることだった。
高校生の一番の仕事は、やはり勉強だと思うから。
慧くんのお見合い相手の、大越グループのご令嬢みたいに成績が学年首位にはなれなくても、まずは最も苦手な英語を頑張って少しでもテストで良い点をとりたい。
そのために、英語が得意な慧くんに勉強を教えてもらいたいと思った。
「出来れば、慧くんのバイトがない日に教えてもらえると助かるんだけど……ダメかな?」