イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


「そんなの、もちろんいいに決まってるよ」


 慧くんが、わたしの頭をわしゃわしゃと撫でてくる。


「俺はとりあえず、中間テストのときよりも成績の順位アップを目標にするよ」


 慧くんは先月の中間テストのとき、成績が学年2位だったから……順位アップってことは、学年首位になるということ。


「親のことを抜きにしても、あいつに負けてばかりなのは嫌だしね」


 慧くんが、友達と談笑している三原くんに目をやる。


 中間テスト1位は、三原くんだったから。


「そうだ。英語以外にも、良かったら教えるけど」

「それじゃあ、数学も良い?」

「喜んで。さっそく、今日の放課後からやるか」

「ありがとう!」


 こうして、わたしは慧くんに勉強を教えてもらうことになった。


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