イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
昼休み。
この日もわたしは、慧くんといつものように空き教室で昼食を摂っていた。
「慧くんのお陰で、英語の小テストで良い点がとれたよ。ありがとう」
「それは、依茉が頑張ったからだろ?」
慧くんは微笑みながら、サンドウィッチを頬張る。
「慧くん、最近はトマトも食べられるようになったんだね」
サンドウィッチのトマトも、慧くんは残さずにちゃんと食べている。
「あの慧くんが、凄い」
「まあ、トマト単体ではまだちょっとアレだけど。サンドウィッチとかだと、普通に食えるようになった」
トマトが苦手だった慧くんが、わたしの好きなトマトを嫌な顔ひとつせずに食べている姿は、見ていてなんか感動する。
「ていうか、依茉。俺とのあの約束、ちゃんと覚えてくれる?」
「あの約束……?」