イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
「この先、もし慧の成績が落ちたりだとか、私たちが手を焼くようなことがあったら……次はないぞ? そのときは依茉さんと別れて、私たちが決めた相手と結婚してもらうからな」
「分かった。絶対にそんなことにはならないように、これからも努力します」
俺は、背筋がピンと伸びた。
「慧さん。学校で依茉さんに会ったら、これを渡してくれる?」
母が俺に、白い封筒を渡してきた。
「母さん、これは?」
「依茉さんへの手紙のお返事。送ってもらってばかりじゃ悪いと思って、私も書いたのよ」
「きっと、依茉も喜ぶよ」
「今度は依茉さんを連れて、家に遊びに来なさい。美味しいケーキをごちそうするわ」
俺は、両親に向かって微笑む。
両親に依茉との交際を認めてもらえて、ようやくスタートラインに立てた気がする。
俺たちの待ち望んだこれからが、今日から始まるんだ。
俺は親に認めてもらえたことを早く依茉に伝えたくて、スマホの通話ボタンを押した。