イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
「どうしたの? 西森さん。ポテト食べないの?」
「たっ、食べるよ……うっ、ごほごほ」
急いでポテトを口に入れ、よく噛まずに慌てて飲み込んだせいか、わたしはむせてしまった。
「西森さん大丈夫!? ごめんね、僕ちょっと背中触るよ? 嫌だったら言って」
三原くんが、ブレザーの上からわたしの背中を優しくさすってくれる。
「ごほっ。ごめんね、三原くん……」
「ううん、全然」
うう……今のわたし、何かめちゃくちゃかっこ悪い。
涙目になりながら一気に残りのジュースを飲み、グラスはあっという間に空になる。
「あっ。ジュース、なくなっちゃった」
「僕、入れてこようか?」
「ありがとう。でも、ドリンクコーナーは上の階だから。三原くんに申し訳ないし」
三原くんのグラスには、まだ半分以上飲み物が残っている。
「三原くんが、背中さすってくれたお陰で落ち着いたから。自分で入れてくるよ」
わたしは、席から立ち上がる。
「あれ。西森ちゃん、もしかして飲み物入れにいくの? 俺の分も頼んでいーい?」
「おい、山瀬! それくらい、あとで自分で行けよ」
三原くんが、山瀬くんを睨む。
「いいよいいよ。みんなの分も、ついでに入れてくるから。何が良い?」
わたしは皆の注文を聞くと、カラオケルームを出た。