イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
空から慧くんへと視線をやると、真剣な面持ちの彼と目が合い、ドキドキする。
「俺、いま依茉と一緒にいられて、ほんとに嬉しいよ。今日だけで、依茉のことがもっともっと好きになった」
「わたしもだよ。慧くんとこうして付き合うことができて、幸せ。今日だって、すごく楽しかった」
今日1日のことを思い出して、わたしは目を細める。
「親に依茉との交際を反対されても、諦めなくて本当に良かった。依茉が今、こうしてそばにいてくれて……俺は、世界で一番の幸せ者だよ」
すると、慧くんがポケットから小さな箱を取り出す。
箱を開くと、中にはシンプルなデザインのペアリングが2つ並んでいた。
「依茉。改めて俺は、依茉のことが好きだ。この先、隣にいるのはもう依茉しか考えられない。だから……これからもずっと、俺の隣にいて欲しい」
「慧く……っ」
わたしは、口元を両手で覆う。
どうしよう。感動で目頭だけでなく、喉まで熱くなって。すぐに言葉が出てこない。
「西森依茉さん。高校を卒業したら……俺と、結婚してください」