イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


 初対面でいきなり「付き合わない?」だなんて。

 何を言ってるの、この人……頭おかしいんじゃない?


「なんて。さすがに冗談だけどね。でも……」


 男の子がわたしの顔から少し目線を下に落として、わたしの胸のほうを指さす。


「キミのそこが、今よりもう少し成長したら……考えてあげなくもないけどね」

「なっ……!」


 わたしは慌てて、両手で胸を隠した。


 もう少し成長したら……って。さっきからほんと、失礼な人! どうせわたしは、まな板ですよ!


「そんなお子ちゃま体型のキミが俺の彼女だなんて、百年早い」

「言われなくても、あなたみたいな軽そうな人が彼氏とか、こっちからお断りで……」

「あっ、ケイくん! こんなところにいた〜!」


 わたしの言葉を遮るように女の子の甲高い声が聞こえた、と思ったら。


 あろうことか、わたしの目の前で金髪の女の子が、失礼男にいきなり抱きついた。


「……は?」

「もう、ケイくん。ハルカ、探したんだからぁ」

「ごめんごめん、ハルカちゃん」


 わたしの目の前でいきなり抱き合ったかと思えば、人目も気にせず公園で堂々とキスをし、いちゃつき始める二人。


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