イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
「あっ! そうか、分かった。辰樹のその態度! この子が、辰樹が春休みに告白されて振ったっていう子なんだろ?」
「えっ? あっ、ああ」
「へぇーっ。やっぱり……」
小林くんの隣にいる男子が、ニヤニヤしながらわたしのほうを見てくる。
何? この人……。
「つーかこの子、けっこう可愛いじゃん。なんで振ったんだよ? もったいない」
「別にいいだろ」
「まあ、いいや。辰樹が振ったんなら、俺が狙っちゃおうかなー? ねぇ、西森さんだっけ? もし良ければ俺と連絡先交換しない?」
「えっ、連絡先!?」
自分のことを振った人の友達と、連絡先の交換だなんて、正直気が進まない。
「それは、ちょっと……」
わたしが断ろうとしたとき。
「……ダメだよ」
わたしは、一堂先輩にいきなり肩を抱き寄せられた。