イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
「あはは。マジでー!」
階段をのぼると、お兄ちゃんの部屋のほうからは楽しそうな話し声が聞こえてくる。
お兄ちゃんって、今まで家に友達を呼ぶことはほとんどなかったから。珍しいな。
よほど仲の良い友達なんだろうか。
──コンコン。
「はーい」
わたしがドアをノックすると、中からお兄ちゃんの声がする。
「お兄ちゃん、お菓子とジュース持ってきたんだけど。入るよー?」
声をかけて、わたしはお兄ちゃんの部屋のドアを開ける。
すると、お兄ちゃんとその隣に足を組んで座るもう一人の姿が見えた。
「えっ……」
予想だにしない人物が兄の部屋にいて、わたしは後ずさる。