イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
◇遠足の実行委員
「そろそろ教室戻ろうか」
「そうだね」
中庭で一堂くんとランチを終え、ベンチから立ち上がって教室へ戻ろうとしたとき。
「あれ」
わたしは、隣のベンチの下に何かが落ちていることに気づいた。
近づいて拾ってみると、それは白いハンカチだった。ピンクのリボンの刺繍が可愛い。
「それ、依茉の?」
「ううん、わたしのじゃない。誰かの落とし物かな?」
「そんなの、見ていないフリしてそのまま置いていけば良いじゃん」
見ていないフリしてって、一堂くん……。