イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


 一堂くんの知り合いかな? たまに忘れそうになるけど、一堂くんも本来であれば2年生だもんね。


「慧ったらどうしたの? こんなところで」

「ああそれが、このハンカチがそこに落ちてたんだけど。キミたち、これ誰のか知らない?」


 一堂くんが、2年生に話しかける。


「えー、知らない」

「あたしもー」

「ねぇ。それより、久しぶりに会えたんだし。そんなハンカチなんか置いておいてさ。慧、私たちと話さない?」


 茶髪のロングヘアの先輩が、一堂くんの腕に手を絡める。


「ごめん。俺、これからハンカチの持ち主探さないといけないから。あ、良かったらキミたちも協力してくれない?」

「えー?」

「ねっ、いいでしょ、お願い」


 首を傾けて可愛くおねだりする一堂くんに、先輩たちはみんな頬を赤くさせている。


「もう、しょうがないなぁ」

「手伝うから。慧くん、今日の放課後あたしたちと一緒に遊んでよね?」

「うん、おっけー」


 す、凄い。一気に3人も協力者を増やすなんて。さすが、一堂くん。


 これなら次の授業が始まるまでに、ハンカチの持ち主を見つけられるかもしれない。


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