イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
「すいません。このハンカチ、落とした人いませんか?」
それからわたしたちは手分けして、1クラスずつ順番に聞いてまわった。
だけど、すぐに持ち主は見つからなくて。
「あの! 中庭に、このハンカチが落ちてたんですけど……」
1年生の教室を順番に声をかけてまわっていたわたしのスマホに、しばらくして一堂くんから着信があった。
『そのハンカチ落としたの、3年生だって』
「ほんとに!?」
あと少しで昼休みが終わる頃、ついにハンカチの持ち主が見つかった。
連絡をもらったわたしは、急いで3年6組の教室へと向かう。
「これ、年の離れた小学生の妹がお小遣いを貯めて初めて私にプレゼントしてくれたハンカチだったから。ああ、見つかって良かった。本当にありがとう!」
わたしがハンカチを届けに行くと、その持ち主の先輩にとても感謝された。
やっぱり、大切なものだったんだ。
良かった。ちゃんと持ち主に返すことができて。