イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


「おお、やってくれるか三原!」

「はい、喜んで」


 それは、三原楓吾くんだった。


 誰もやりたがらなかったのに、自分から進んで手を挙げるなんて。三原くん、えらいな。


「それじゃあ、男子は三原で決まりだな。あとは女子だけど、誰か……」

「はいっ!」

「三原くんがやるなら、私やりたい!」


 すると、何人かの女子が続々と手を挙げた。


 わ、さっきまでとは違ってすごい人気だな。


 有名リゾート会社の御曹司で爽やかイケメンの三原くんは、一堂くんに次いで女子から人気がある。


 入学式の日に一緒にカラオケに行ったときも、わたしにポテトを譲ってくれたりと、三原くんは優しかったから。人気があるのも頷ける。


「なんだなんだ。お前ら急にやる気出して。うーん、どうしようか……」


 顎に手を当て、悩む先生。


 まあ、これだけ手をあげている子がいるんだから、わたしが出る必要もないよね。


 ここは、三原くんに好意がある女の子が委員をするほうがいいだろうし。


 そう思い、わたしは挙げようとしていた手を机の下へとやった。


「そうだ。それじゃあここは、三原本人に決めてもらうとするか」

「えっ、先生、僕が相手の女子を決めて良いんですか?」

「ああ。三原が一緒に委員をやりたい奴を指名しろ」

「……だったら僕、西森さんがいいです」


 ……え。


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